12月6日はフィンランドの独立記念日です.今年は独立して81年目,したがって若い世代の人々は生まれたときにはすでにフィンランドは独立国家だったわけで,特別な感情を抱く人もだんだん少なくなっているようです.友人によればこの日はメーデーとか夏至祭のようなお祭り騒ぎにはならないとのことでした.ただ,日本のように「独立」の経験がない国とはやはり違い,もちろんそれなりの行事があります.
まず,この日の朝,国旗掲揚の儀式があります.私はテレビ中継を見ていたのですが,ちょうど前日から雪に見舞われており,雪が降るなかでの国旗掲揚でした.その後,ヘルシンキの大聖堂で独立記念日に関るセレモニーがありました.フィンランドは合唱王国でもあり,大聖堂のオルガンを伴奏に披露された合唱には聞き入ってしまいました.街のあちらこちらでも雪の中にキャンドルを点し,そこで合唱団が歌を披露するイベントもあったようです.
独立記念日の夜には,各家庭で窓際に青と白(フィンランドの国旗の色です)のキャンドルを2本点す習慣があるそうです.前日,アパートの友人がそのキャンドルをわざわざ我が家に持ってきて下さり,明日は忘れず飾れよ,と言って帰っていきました.早速,夕方6時からそのキャンドルを窓際に飾りましたが,なかなか素敵な風情です.もちろん,室内照明は暗くしておきます.雪がしっかり積もったアパートの裏庭にも,おそらく管理人さんがキャンドル(というか松明というか,アウトドア用のおおきなろうそく)を飾っていました.
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その夜は大統領主催のレセプションが大統領官邸で開催されます.2000人近い招待客がいるそうで,大統領夫妻は一人一人順番に握手をします.その握手の様子が延々テレビで放映されるのですが,解説者はこれは誰でどういう人かというのを説明していました.招待されるのは政府関係者はもちろんですが,その他,その年に功績のあった人とか(HakkinenもMa:kkinenも他の用事があるらしくて出席していませんでしたが),大学の学長(私の所属している大学の学長も出ていました),教会関係者,それと大使館関係者などが招待されていました.日本の大使ももちろん出席していましたが,奥様はきもの姿でひときわ目立っていたのが印象的でした.
延々と続いた握手が終わると,広いホールで待っている客の間を大統領夫妻が歩いていき,ほぼ中央に辿り着くとおもむろに踊り始めました.なんだろうと見ていると,その周りの人々も徐々に踊り始めました.いわゆる舞踏会です.あとは延々と舞踏会の様子が映されていました.きもの姿の大使ご婦人はどうされたのだろうと,ちょっと心配になりましたが,おそらくまわりでコーヒーでも飲んでいたのか,それっきりテレビには映りませんでした.
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