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37. フィンランドの冬はやはり寒い

ここ数日,フィンランドでは全国的に寒い日が続いています.我々の住んでいる南フィンランドでもマイナス25度になりました.ここまで下がると,鼻がむずむずするので(おそらく湿気を帯びた息が鼻の中で凍るためだと思う) ,温度計を見なくても相当寒いことがわかります.

昨年(97-98年)は暖冬だったそうで,今年は通常,あるいは幾分厳しい冬になるだろうというのが,私の周りの友人の見解だったのですが,その通りになりそうな予感です.左の天気図は1999年1月26日(昨日)のもので,ご覧のように高気圧が張り出し,ラップランドでは快晴です.これはオーロラ観測には絶好の条件だ,と言えなくもありませんが,そこに出ている数字,つまり気温をご覧頂きたい.マイナス40-50度と,ほとんど人類未踏の極寒です.快晴とは寒いということがこれで良く分かります.実際,その日,ラップランド(イヴァロ辺りだったと記憶しています)ではマイナス51度を記録し,これは今世紀の最低気温なのだそうです.しかも,TVニュースの伝えるところによれば,そのラップランドで停電になり( 雪か寒さのためか送電線が切れたそうです),電気式のヒーターがストップ,暖炉等のヒーティングシステムに頼らざるを得ない状況になったとか.日本の日常生活では,せいぜいテレビが見えないとか,ビデオのタイマーをまたセットし直さなければならないので面倒だとか,停電とはその程度の認識ですが,ここフィンランドでは停電は生死に関る重要な事件です.ラップランド(レヴィ)でマイナス31度を経験したときに,これはほとんど人間が住める温度では無いと驚いたものですが,マイナス51度とはさらにそこから20度も低いわけです.TVニュースではラップランドの人々の服装などを紹介していましたが,何かそれを見てもピンときませんでした.そもそも,そんな寒さで人間は平気なんだろうか,という疑問が先に頭に浮かびます.昨年末,TVの天気予報でマイナス気温の予想が出ているのを見て,最初は家族みんな非常に驚き,そして徐々にそれにも慣れてきた今日このごろでしたが,さすがにマイナス51度となると,南の島国,日本に住んできた我々には想像を絶しており,何か遠い国の出来事としか思えません.フィンランドで売られている温度計(気温) はマイナス50度からプラス50度まで表示できるようになっていますが,なるほど,それくらいの表示幅は必要なわけです.

私が経験したマイナス25度を実感させる出来事は,

といったところでしょうか.こんな中でも学生は自転車で通学するのですから,本当にフィンランド人はタフです.

ちなみに,フィンランドの各地の気温は http://www.mtv3.fi/saa/suomi.html で分かります.私が住んでいるラッペーンランタの気温も分かりますので,寒さに弱い著者がどんなところで生きているのか,興味のある方はご覧ください.
 

 1/27/1999 
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