F1の最終レースが日本の鈴鹿で開催され,フィンランドのミカ・ハッキネンが優勝,さらに総合優勝も決めました.日本で開催されたので,おそらく日本でも詳しい解説付きで放送されたことでしょう.もちろん,フィンランドでも一部始終放送されました.
F1について全く無知の私でしたが,フィンランド人ドライバーとしてミカ・ハッキネンという人がいるということは,以前から知っていました.その人が今年は非常に調子が良いということも,春頃,友人から聞かされていました.フィンランドにいる者としては,やはりハッキネンンを応援しなければならないという,漠然とした心構えは持っているつもりでしたが,最終レースが日本時間で午後1時,したがってここフィンランドでは午前5時ということを知ったときは,とにかく,結果だけはテレビで見ようという程度の気楽な態度でした.ところが,前夜,同じアパートの友人から電話があり,「明日のレースのことは知っているな.もちろん,応援するだろう?」とはんば強制的に明朝の応援に付き合うことになってしまいました.
次の朝,6時30分頃,友人宅に行ってみると(既に遅刻ですが),友人は既にうれしそうです.TVをご覧になった方であればご存知かと思いますが,2位につけているシューマッハがスタート時にトラブルにみまわれ,ハッキネンが1位を走っていたからです.ものすごい勢いで追いかけるシューマッハでしたが,さらに悲運のトラブルでリアイア.自動的にハッキネンが総合優勝となりました.友人はもちろん喜びましたが,何よりも印象的だったのは,普段は比較的冷静に見える解説者が,感情あらわに「Hyva: Suomi! Hyva: Hakkinen! (いいぞフィンランド,いいぞハッキネン)」と連呼していたことです.こうなっては解説どころではありません.10数年ぶりのフィンランドチャンピオンらしいのですが,「思っていた通りだ.やはりミカは世界一だ.」とか何とか,その繰り返しでした.
ヘルシンキでも朝5時から店を開け,F1観戦するところが多かったそうです.フィンランドの国旗を振りながら街を行く車もテレビニュースで放映されていました.そのあたりはどこかのプロ野球チームが優勝したときのパレードに近いのかもしれません.それでも,日本と違うなと感じたところは,ハッキネンがフィンランドの特別番組に出たり,インタビューを受けたりした様子がなかったことです.日本であれば,たとえ海外であっても特別スタジオを作って,「お疲れ様でした.ご感想は?」などというお決まりのシーンが流れたことでしょう.そこはフィンランドらしいということでしょうか.
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