普段はそれ程,ファッションや髪型に気を使っていないほうですが,それでもほおっておけば髪は伸びるもので,おまけにあまりに豪快にサウナに入り,ダウン寸前でベッドに寝転がり寝てしまえば,明らかな寝癖がついてしまい,それでも気にしなければ良いのですが,さすがに周りが気にします.ということで,ここに来て1ヶ月ほど経った頃,思い切って散髪に行くことにしました.まずは研究室の秘書の方にここの状況を尋ねたところ,日本同様,男性が主に行くいわゆる理髪店 (barber-parturi) とおしゃれな(?)美容室(hair salon-kampaamo)の2種類あることがわかりました.ただし,理髪店についてはここラッペーンランタでは街に1件程度で,ほとんどが美容室,あるいは理美容店だということでした.どこが違うのかは専門家では無いためわかりませんが,想像するに髭をそってくれるかどうか,あるいは洗髪がセットになっているか,といった点じゃないでしょうか?
そんなことはともかく,大学近くにありそうな,しかも少しくらいは英語のわかる人のいる店を秘書に紹介してもらい,早速予約を入れました.行ってみると,お店は住宅街にあって,まわりの住宅と外観がほとんど同じであるため,最初はこれが本当に店なのだろうかと疑ってしまうほどでした.ようやくドアのところに "parturi-kampaamo" と小さく書いてあるのを見つけました.まさしく理容−美容店です.お店に入って見ると日本とほぼ同じつくりですが,小さい子供からおじいちゃんおばあちゃんまで,幅広い客層であることに驚きました.私の記念すべき第1回目,そして家内と息子を連れていった第2回目は英語が多少できるご婦人に髪を切ってもらいました.そのときは,店員も初めての外国人を相手にして多少緊張していたのか,丁寧にヘアカタログを取り出し,どの髪型が良いかとか,フィンランドの印象はどうかなど,英語で話しかけてくれました.我々も多少なりとも緊張しており,一体どんなことが起こるのか心配しながら椅子に座っていました.
先日,私が2度目にチャレンジしたときの話です.予約の仕方も場所も覚えており,もう慣れたものだと思っていたのですが,予約時に誰に髪を切ってもらいたいか,と尋ねられたとき,誰でも結構ですと答えたのですが,それが間違いの始まりでした.店に行ってみると今回は英語の全く出来ないご婦人が私の髪を切ってくれることになっていたのです.それはそれで良かったのですが,とにかくフィンランド語で色々と尋ねられ,私がよくわからないといった様子を見せると,多少英語で話をしてくれました.以下のような会話です.
店員: .....(耳の上をさわりながら) "Short ?"
私: .......(側部を短くしてくれるのだと思って) "Yes"
店員:......(バリカンを取り出し豪快に短くする)
私: .......(ああ・・・・)
店員:......(後頭部をさわりながら) "Short ?"
私: .......(まあなんでもいいや) " ....Yes..."
店員:......(再び豪快に刈る)
店員:......(にこやかに) "Good?"
私: .......(にこやかに) "Yes"
という具合に,私の髪はすっかり短くなってしまいました.店員は始終にこやかに対応してくれ非常に好感が持てるのですが,"short"と"good"だけではなかなか会話になりませんでした.それでもその方も出来上がりに満足されていたようですから,私も満足すべきなのでしょう.家に帰って家内にも「どうしたの?」と言われ,息子にも「短くなった」と言われましたが,これでしばらく散髪に行かなくても良いわけですから,結果的には成功とみていいんじゃないかと思っています.
あとで気づきましたが,こちらの男性はわりと髪の毛が短い方が多いようです.普段,スポーツウエアを来てジョギングや散歩にいそしむスポーツ国らしく,非常に皆さん似合っています.そう言えばスポーツ刈りというのが日本にもありました.今でもスポーツ刈りという言葉は通用するのでしょうか?私の髪はスポーツ刈りとまではいかないにしても,フィンランド刈りくらいには短くなりました.皆様にお見せできないのが残念です.