6月に入ると各地で夏に向けた様々なイベントが開催されるようになります.夏だけ開くという美術館や博物館もめずらしくありません.したがって,我々にとってはこの夏を逃すとまず経験できない,というような事柄も少なくないようです.というわけで,6,7,8月はせっせと小旅行に出かけることにしました.
まずは,
近場ということで湖水地方の有名な都市をまわることにしました.まず,フィンランドの湖の写真といえば必ずといっていいほど載っているPunkaharjuに向かいました.Lappeenrantaからおよそ130km,車で2時間足らずのところです.ここは,湖に浮かぶ島が連なって美しい景観を楽しめます.と言うか,我々が見た写真は航空写真なので,車を運転している我々にはそのような景色は見ることはできません.が,空から見ればそうなんだろうなと想像するのも楽しいです.この辺りはあちらこちらにコテージやキャンピング場があって,フィンランド随一のリゾート地というのも実感できます.
そこからちょっと寄り道してKelima:kiに向かいました.ここは地球の歩き方にも載っていない場所なのですが,友人がSavonlinnaに行くならぜひ寄れとの強い薦めがあり,行くことにしました.ここには,世界一大きな木造の教会があって,見る価値十分です.木造の巨大建築物は我々日本人にとってはそれほどめずらしいこともないのですが,教会となるとなかなかめずらしいものです.教会というとローマ,ウィーンのような石造りの豪華なのものを思い浮かべてしまいますが,木造の教会もフィンランドの風景にマッチしていて素敵でした.ちょうどその日は堅信式(confirmation)が行われていて,教会内部ではパイプオルガンが鳴り,厳かな雰囲気でした.街は本当に小さく,教会から2,300mも離れると森と湖の世界です.小さな村の自慢の教会です.
Kelima:kiから2,30分ほどで古城で有名なSavonlinnaです.この城はフィンランドがまだスウェーデンの支配下にあった頃,ロシアからの侵略を阻むために交通の要所でもあったここSavonlinnaに作ったものだそうです.結局,最終的にはスウェーデンはロシアとの戦いにやぶれ,その結果,フィンランドはロシア支配下に入ることになるのですが,この城もロシア高官の別荘になったとか.湖に浮かぶその姿は非常に美しく,ここだけ時間が止まっているような感じさえ受けます.規模は相当大きく,一人で中に入ると迷うのではないかと思うほどです.この時期だけなのかもしれませんが,城の中は全てガイド付きで見学するようになっており,我々は英語のガイドツアーに参加しました.日本語のツアーもあるようですが,そんなに多くの日本人が来るとも思われません.が,一つ例外があります.7月はかの有名なSavonlinna
Operaがあり,今年も城内部の特設ステージで開催されます.その頃はどのホテルも満室で,大変な賑わいだそうです.写真右中央部に白いものが見えますが,それが会場の屋根で,巨大テントのようなものです.風が強い日には雑音も相当なものだそうですが,何よりこのセッティングはオペラマニアを泣かせます.今年はワーグナー(タンホイザー)とヴェルディ(運命の力)があるようですが,料金も1万円強という親切な価格設定で,ぜひ私もいつかは来てみたいと思った次第です.ちなみに,この古城はドラゴンクウェストIIIに出てくるお城のモデルになったそうです(地球の歩き方「北欧」参照).