日本ではワールドカップの話題で騒然としていると各新聞社のHPで知りました.そうでしょう.アジア予選のとき以上の盛り上がりに違いありません.フィンランドにいる私はテレビも無く,結果のみをそうしたHPで知るだけで,それほど盛り上がりません.フィンランドもワールドカップに出場していないし,そもそもサッカー人気は日本ほどでもありません.したがって,まったく穏やかな日々を過ごしていました.
それでもワールドカップに興味深々のフィンランド人はいるものです.ある日,外で子供と遊んでいると,同じアパートの住人がワールドカップの話をし始めました.「そうか,そろそろ日本も出番だろうな」とそのときは思っていたのですが,良ければ部屋にテレビを見に来るかと言ってくれ,「フィンランドで日本戦を観戦できるとは」と喜んで友人宅に上がり込みました.おかげで,クロアチア戦をリアルタイムで観戦することができ,久しぶりに興奮を覚えました.ご存知のように,クロアチア戦は日本にとって重要な意味を持っていて,これに勝つか負けるかでは天国と地獄です.結果は残念なことにはなりましたが,それでも日本チームの健闘をここフィンランドで称えたのでした.
解説はもちろんフィンランド語です.ほぼ何を言っているのかわかりませんが,プレーヤーの名前は非常に正確な日本語として発音されているように聞こえました.フィンランド語の単語も基本的に子音母音という順序で構成されるので,非常にナチュラルですし,アメリカ人が発音するような妙なイントネーションもありません.若干例外があるとすれば「城(Jo)」が「ヨー」とフィンランド風に発音されていたくらいでしょうか.あと,スウェーデン語のような抑揚が少ないフィンランド語ですが,やはりゴールが決まると,それなりに抑揚ある「ゴール」が発せられます.しかし,大体は穏やかな解説に終始しました.フィンランド人解説者によれば,「日本はほぼゲームをコントロールしていたが,わずかの致命的なミスでゲームの勝敗が決まってしまった.」という結論でした.
試合の合間にBest Fiveプレーヤーが紹介されているのも興味深く見ました.なにしろ,その一人に中田が含まれているのですから.そんなに中田というプレーヤーは有名なのかと感心していると,どうやらそれは「奇抜な髪型Best Five」でした.そんな「オチ」が付いているとはなかなかフィンランドのテレビもあなどれません.